さざれごと

もしかしたら誰かが見るかも、という微かな緊張感をもって綴る日常の滓や澱

日本語教育100の質問(3)ボランティアも日本語教師ですか

面白い質問ですね。

 

僕は毎週土曜日に地域の日本語教室でボランティア活動として日本語を教えてています。そこではたくさんのボランティア講師の方々が活動に取り組み、さまざまな国や地域から来た皆さんが日本語を学んでいます。無償です。手弁当です。でも、とても楽しい場所です。

 

ボランティア講師の皆さんに「あなたは日本語教師ですか?」と聞くと、おそらく「いえいえ、私はボランティアで教えているだけです」と言うでしょうね。「それで給料をもらっているわけじゃないから、職業として名乗るのはちょっと…」という気持ちでしょう。

 

ところが。日本という国はそうは思っていないようで。ボランティアも立派な日本語教師!(だからしっかり教えてね)(だから無償でも頑張ってね)というつもりでいるんでは、と思われます。

 

文化庁日本語教育の実態を調査していて、その概要をウェブで公開しています。

 

国内の日本語教師数は(上記調査によれば)39,588人、となっています。で、ここにはボランティア22,640人が含まれるそうです。割合は57.2%。最大勢力です。

 

国内の日本語教育はボランティアが支えていると言えそうです。「私はボランティア日本語教師です」と言い切って差し支えないと、僕は思います。

 

いま議論されている「日本語教育の推進に関する法律案」でも、「文化芸術基本法」なんかでも、「国が日本語教育に責任持たなきゃね」と言っています。言っていますね。うん言っています。

 

責任を持っている割に地域とか自治体とかに丸投げにし過ぎじゃない?と、正直思います。

手弁当で日本語を教えているボランティアの皆さんの善意によりかかり過ぎじゃない?とも思います。

ボランティアでの活動を国の施策として位置付けたいなら、そこへの支援の充実やら「私はボランティアで日本語教師をしています」と立派に名乗れるような工夫(国が認めた「ボランティア日本語教師カード」とか?よくわかりませんが)が必要なんじゃないの?と思います。

いや、お金が全てじゃないですよ。でも「やりがい搾取になってない?」「それを前提に社会を作っちゃいかんのじゃない?」と思うわけですよ。

 

質問からずれましたね。

僕は、ボランティアも立派な日本語教師だと思います。はい。