さざれごと

もしかしたら誰かが見るかも、という微かな緊張感をもって綴る日常の滓や澱

いきなりなんですが

たしかにその昔、

お肉を食べるのってちょっとだけ特別でした。

少年時代。

さる焼肉屋から定期的に割引券が届き、

我が家では月に数回その店に訪れていました。

優雅。

バブルの香り。

ジャパニーズビジネスマン。

我が家は小市民ではありましたが、

嘉門達夫さんにそんな歌があったな)

ちょっとだけ特別な焼肉屋

行きたい時に行ける、そんな時代でした。

その後、肉を食べに行くのは

ぐぐっと特別になってしまいました。

特に、カタマリの肉。

すんごく背伸びして背伸びして、

よくわからない赤ワインと共に頂くお肉は

まさにハレの供物。特別中の特別でした。

時は経ち、再び「ちょっとだけ特別」にまで

お肉を引き戻してくれる店が現れました。

そう、『いきなりステーキ』です。

いきなり、ですよ。

そこにステーキですよステーキ。

食おうよ、怖くないよ、カッコつけなくていいよ。

いいんだよステーキをいきなり食ったって。

もっと身近に寄り添う食い物だよステーキ。

その優しさに、

古き良き少年時代の「ちょっとだけ特別」を思い出し

久々に父の墓参りにでも行こうかな、なんで思いました。