さざれごと

もしかしたら誰かが見るかも、という微かな緊張感をもって綴る日常の滓や澱

日本語教育100の質問(9)日本語教師になってから受ける試験はありますか

難問がやってきました。

 

日本語教師という仕事に直結している「日本語教師になってから受ける試験」というのは、今はありません。ないはずです。

知識を確認する試験はあるみたいです。一般社団法人全国日本語教師養成協議会という団体がありまして。略して「全養協」、名前の通り養成講座と先生の質的向上を目指す団体だそうです。その全養協が試験を実施しています。全養協日本語教師検定。少しサンプル問題がありましたが、なかなか面白そうです。

あまり受検したことがある方にお会いしたことがないですが、力試しにはなりそうな。成績(判定?)を優遇する求人もちらりと見たことがあります。

 

語学系の試験なども良いのではないでしょうか。わざわざリンクするまでもないような、有名な各種語学系試験。学生の母語についての知識があれば、そりゃもう役に立ちます。母語の干渉云々とか。悩み相談とか。

 

「私、ACTFL-OPI(全米外国語教育協会会話試験)の試験官です」なんて先生もいます。ワークショップに行くんですね。みっちり学ぶ大変そうなワークショップです。

 

ほかにもキャリアアップということで言えば、もしまだだったら大学院に行くのもよいのではないでしょうか。

 

いろいろ書きましたが、なかなか日本語の先生が「私、さらにすごい日本語の先生になったんです」と証明するのは大変そうです。

 

今後はキャリアアップのためのセミナーや研修も増えていきそうな気がします。これも(8)で触れた文化庁教育能力の判定に関する云々の中で触れられていました。曰く、

「(日本語学校の)日本語教員は、その教員要件を満たして採用されれば、その後、その日本語教員の資質・能力が確認される機会はない。(中略)定期的な研修受講等による日本語教員の資質・能力の向上を図る仕組みについても検討する必要があるのではないか」

 

…確かに。

ただ、できれば「資質・能力が向上したのならそれに伴って処遇も向上する仕組みにしてよね」と思います。ぢっと手を見なくても「働けば楽になる生活」であってほしい。